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商売における「属人性」から考える「有名税」の話2025.04.21

こんにちは。矢野です。

毎週日曜日更新のラフラジ
https://anchor.fm/laughter8 

今回は先日僕が人生で初めていったサイン会。そんなサイン会というものに初めて参加してみて感じたことと、そこから一人一人のお客さんと向き合うということについて二人で話しました。是非聞いてみてください。

 

ちょっとラジオで話したことの一部をお話しすると、現在Laughterではオンラインショップで商品を購入していただいた際やお店さんにコーヒー豆を発送する際、つまり商品をお相手の顔を見ずに配送にてお渡しする際には必ずメッセージカードを同梱しています。

なぜそんなことをするかということについては説明するまでもないとも思うので割愛しますが、やっぱりうちみたいな小さい店でわざわざ購入してくださるという際には商品の価値以上に「誰から買うか」みたいなところがすごく大きいウェイトを占めると思うんですね。

これに関しては多分売ってるものが何であっても変わらないし、そこそこの規模までの中小企業なら大なり小なりその要素を孕んでいると思います。それが社長であろうと、営業担当の社員であろうと、店員のアルバイトスタッフであろうと。

こう言ったことを「属人性」なんて言いますが、ある程度までというか大半の商売、ものを売るという行為はこの属人性が高くなるわけで、よくそこそこの規模になってくるとこの属人性をいかに低くして、システム化、つまりほっといても売れる状態に持っていくかみたいなところが課題になってきたりするみたいです。実際僕も経営者の方などからこのような言葉をよく聞きます。

ちなみに属人性の高い低いでいうと、多分芸能人やインフルエンサーなんかは自分自身が商品なので属人性が最も高いと言えそうですし、逆に公共インフラのような水道や電気、携帯電話、インターネットみたいなところは料金の高い安いだけで決めたりする場合や元から金額が決まっているところもあるので属人性が低いと言えますね。

ただ僕が思うに誰もが知ってるくらいの社名の大企業でもない限りもう不可能に近いと思うし、それだって何か不祥事があれば一発で吹っ飛ぶような時代じゃないですか。

だから大なり小なり誰もがこの属人性(誰がやってるか)に依存して仕事をせざる負えないところを考えると究極は人とのつながりを大事に真摯にやっていくということしかないのではと思います。

それでいうと最近はよく芸能人なんかがプライベートがないことを嘆いて「有名税」なんて言葉をよく聞きますね。
もちろんみんな人ですから大前提プライベートくらいそっとしといてやれよというのが僕の大きなスタンスです。(というか興味もないです)

一口に芸能人と言っても例えば俳優一本で映画やドラマにしか出ないという仕事の仕方と、CMなどの広告にも出て仕事をしている人ではまた全然違うと思います。

俳優だけの人は芝居してなんぼでお金を稼いでいるので極論スクリーンの外でどんなにクソ野郎でもいい芝居さえしてればいいでしょ。と言ってまかり通ると思います。

一方CMや広告というのはお金の稼ぎ方が全く違って、その人の好感度や知名度を使って普通では考えられないような大金を短時間で稼ぎ出しているわけです。

お金と引き換えにしているものが全く違うということですね。

全国区のCMに出るとなるとそれはさらに大きくなって日本全国どこにいても顔がさしてしまい、ちょっとでも対応が悪かったり、不倫したり、なんか悪いところを見せるとすぐ叩かれたりなんなりされてプライベートがない!と叫んでるわけです。

でも考えてみたらそりゃそうですよね。一本のCMに出るだけで数百万数千万稼ぐなんてまあ普通じゃないですよね。それは全国に流れてしまうからその金額なわけです。もちろんそこにはそれ相応の責任と不便がつきまといます。

じゃあ一旦置いといて僕たちコーヒー屋はどうでしょう。
例えばLaughter西陣店がわかりやすいですかね。僕たちはコーヒーを商品としています(芸能人は自分を商品としているのに対して)ので当然そのコーヒーについて味だのなんだのに不備があればクレームになったりSNSで文句を言われたりするわけですよね。さらにお客さんは言っても店舗から半径何キロ圏内の方が多く、ご近所さんには顔はバレバレなわけですから、例えば店の近所を女の子と二人で歩いてるのをみられた時には次の日は街の人みんな知ってるみたいなことがあるわけですよ。
そうでなくても店の近くを一人で歩いていても知ってる人がよく通るのでその度に愛想良く挨拶するし、近所の店に行けばそこの店の人も知り合いで愛想良くするし。
それが悪かったらいくら店の中では愛想良くても誰も店に来なくなりますし、これに対して「有名税が〜!」という人はまあいないですよね。
その代わり僕たちが商売として影響力を持てるのもせいぜいその範囲で一日に一つの仕事で何百万何千万と稼ぐことなんて到底できません。

その範囲を全国に広げていて、かつ自分自身を商品としているのならば、そりゃどこに行っても顔がさす、異性と歩いていたら噂される、愛想が悪いと仕事に影響が出るなんてのは当たり前なので、その責任と向き合いながら飲み屋とかでは「プライベートくらいそっとしといてほしいな〜」なんて愚痴をこぼすのはどうぞどうぞと。
ただ自分が選んでその道でその稼ぎ方でその不便さという責任を果たすことを選んだにも関わらず、その中での不都合な部分に関しては世間に文句を言って権利ばかり主張するというのは違うでしょうとは思います。

何においてもそうですが、なぜそんな短時間で大金を稼げるのか。全ては梃子の原理になっているので対価として何を払うことになるのかというのは冷静に考えなきゃいけないし、世の中上手いだけの話はないということですな。

あんまり時事ネタを切るみたいなことしたくないんですが、結果としてそんな感じになっちゃったな。

 

それでは本日も美味しいコーヒーと共にお待ちしております☕️