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今年行った企画展示BEST32022.12.22

こんにちは。矢野です。

最初にお知らせ。
24日(土)クリスマスイブに夜ラフターをします!
会場はKAMOGAWAstand。時間は一応19時から。
メニューは主にドリップコーヒーとエスプレッソを使ったコーヒーカクテルとワイン数種類におつまみ数種類。せっかくクリスマスだしちょっとだけでも気分を味わいたいという方はぜひ遊びにきて下さい。地下鉄北大路駅やバスターミナルがすぐそこなので飲み過ぎてしまってもすぐ帰れますよ。笑
ご来場心よりお待ちしております。

そして、新しいシーズナルビーンズ
「ウィラ コロンビア ピンクブルボン」
ジャスミンのような香りとパッションフルーツのような弾けるジューシーさが特徴の素晴らしいコーヒー豆も入荷しています。
是非チェックしてみて下さい。
https://laughter-coffee.com/product/product-5700/


前回は今年行った美術館BEST3を発表しました。
なので今回は今年行った企画展示BEST3を発表します。

それでは早速いってみましょう。

まずは第3位
「横尾さんのパレット」横尾忠則現代美術館

こちらは現代アーティストの横尾忠則の作品が展示されている美術館で開館10周年を記念して行われていた企画。(まだやってるかも)
何が良かったかというとズバリその企画内容。

写真のように色だけで作品を分けて展示していたんです。いやこれ自体はすぐ思いつきそうです。でも思い返すと意外にこんな展示方法をしているのをみたことはない。おそらくこれ見る人が見たらものすごく気持ち悪いんだと思います。絵が描かれた背景も年代も作風もバラバラでただ色彩だけで分けられている。おそらく一番気持ち悪いのは企画者の方。一番作品と作者を理解されている方々があえてこの展示方法をとる勇気と決断力に脱帽です。

 

さて続いて第2位
「ポンペイ展」京セラ美術館

京都の京セラ美術館で開催されたローマ時代にイタリアに存在していたポンペイという街の企画。これは完全に今年の京セラ美術館の企画の中で1番です。
ポンペイは火山の噴火によって一夜の間に滅んだ都市なのですが、大量の火山灰に覆われたことによってその保存状態がよく、当時の暮らしを窺い知るのにすごくいい。
火山灰の下敷きになって逃げ遅れた人が肉体が腐敗して人型に空いた空洞に石灰を流して作られたリアルな人物像など胸を締め付けられるものから、器やモザイクアートなど素晴らしい出土品の数々も展示されていました。

是非ともイタリアに生のポンペイを見にいきたいものです。

 

そしていよいよ第1位
「GUTAI展」中之島美術館、国立国際美術館

中之島美術館と国立国際美術館の2会場で同時開催している1900年代半ばに誕生した前衛美術集団「具体美術協会」の記念企画。
当協会のリーダーである吉原治良の言葉「人の真似をするな」に表れる通りユニークな作品が並んでいました。この企画で一番僕がいいなと思ったポイントは作品の解説文。基本的にどの企画展示に行っても作品の解説文というのは解説者の方が書いています。そのため「〜を表しているのだろう」「〜に違いない」というような少し曖昧な表現が多いです。これは批判しているわけではなく実際勉強になるし、この世界でこの作品に対して一番詳しいであろう方が解説されているのである意味一番正解に近いのだと思うのですが、たまに本来題名がついていない絵に勝手に名前がつけられていたり、同じ絵の中に特徴的なモチーフが二つ描かれているのにわかりやすいモチーフだけが解説されていたりと本当は作者はどう考えて書いたんだろうと思うこともあります。

それがこの展示では生の作者の言葉が作品に添えられていて、それが本当に良かった。一つ印象に残っているのが、ある作品に添えられていた「同じものを繰り返し提出するのは職人の仕事であり美術ではない」という言葉。確かに成功パターンを繰り返し行うのはビジネスの世界でよく目にするかもしれません。ある意味対極に存在する芸術ではそうではないということでしょう。岡本太郎も芸術とは「新しさ」だといっていました。ただ面白かったのはこの言葉が書かれた作品の隣に「開催にあたり再制作」と書かれた作品があったこと。わざと並べたとしたらかなり皮肉が効いていますね。笑

この展示を通して改めて思ったのは作品自体について語っている人はすごく少ないということ。以前ゲスの極み乙女の川谷絵音が「音楽性とか曲の意図とかそんなものを語る奴はアーティストじゃなくてビジネスマンだ」と言っているのを見たことがあります。作品を第三者が解説するという行為自体がナンセンスなのかもしれません。逆にいうと正解なんて誰も知らないしないんだからみんなもっと気楽に好き勝手見たらいいんじゃないかと。

そんなGUTAI展はまだ会期中ですので是非足を運んでみて下さい。

今語り合える人が周りに全然いないので来年は布教することを目標にします。笑

 

番外編
ここまで美術館&企画展示のBEST3を発表してきましたが、今年見た作品単体で1番と言ったらダントツのものがあります。

それは草間彌生のインフィニティシリーズ。

東京の品川にある寺田倉庫のギャラリーでコレクターの方が所蔵している作品展をやっていて、そこに草間彌生のかぼちゃとインフィニティシリーズの作品が2枚ありました。かぼちゃは知ってる方多いと思うのですが、インフィニティシリーズは知っていますか?
特大のキャンバス一面に網目状の模様のような絵がただびっしりと描かれているものなんですが、これを書いているときは草間彌生自体も病んでいて、寝食も忘れてキャンバスもはみ出して書きまくっていたようです。
その背景を知らずに最初この絵を見たとき久しぶりに体が動かなくなる感覚に襲われて、ずっと見てると遠近感が無くなってくるというか絵と自分の境界線が曖昧になってくる気持ち悪い感覚になりました。こんな感覚になることは正直ピカソのゲルニカ以来。一気にファンになりました。

 

以上