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タイ旅の振り返り⑥2023.09.10

こんにちは。矢野です。

先にお知らせ。

シーズナルビーンズ「ビジャ コロンビア」発売中です!

グレープフルーツやライム、林檎のような爽やかなフレーバーと軽やかな口当たりがこの暑い夏にぴったりのすっきりとして味わいです。
液体が暑い間は強く酸味を感じ、冷めていくと共にどんどん甘さが引き出されていくのでぜひ温度変化とともにお楽しみください。

各店舗店頭およびオンラインショップで絶賛発売中です。
https://laughter-coffee.com/product/product-7433/


そういえばブログで告知するのを忘れていたのですが、昨日は京都駅でエンジョイコーヒータイムというコーヒーイベントに出店していました!

西陣店と賀茂川店はいつも通り営業していたのですっかり告知を忘れていました。

最近はすっかり安心してスタッフの子にイベントを任せられるようになったのですが、今回もすごい人だったようです。観光客がどんどん戻ってきている状態で京都駅で開催するとまあ当然という気もしますがそれでもやっぱりたくさんの人が来てくださるというのは嬉しいものですね。

ご来場くださった皆様ありがとうございました!

 

それではここから前回の続き。

近所の中華系タイ料理屋さんでご飯を食べた後はチャーリー農園の近くにあるコーヒー会社にお邪魔してコーヒー談義。

ここは海外にも積極的に販売している会社でコーヒー栽培から焙煎豆の販売まで幅広く行っているようです。タイは生産国なので生豆の栽培からコーヒーショップまで一貫しているところも少なくありません。

生産国ならではのスタイルで羨ましい限りですね。



コロナがあってタイに行けなかったこの3、4年の間にタイのコーヒー生産も大きく進歩していました。
一番驚いたのはタイでもアナエロビックを作っていたこと。

いつかのブログでも書いたのですがもう一度おさらいしておくと、アナエロビックとは日本語で「嫌気性発酵」と言って酸素を遮断して発酵させるという意味なんですが(反対に酸素を取り込みながら発酵させるのを好気性発酵)ここ数年でコーヒー業界で流行っている精製方法なんです。コーヒーの香味の変化にこの発酵過程が大きく影響することがわかり、アナエロビックによってバクテリアの種類や数を調整して狙った味を作るという技術です。
飲めばその違いは明らかで主にはスペシャルティコーヒーとしてメジャーな産地であるエチオピアやケニア、コロンビア、コスタリカなんかで目にすることが多いかと思いますが、従来の香味とは一線を画すものとなっています。
ただ毎日飲めるかというと…というものありますし、一回サンプルでもらったものをうちの店でその時いたお客さんに振る舞ってみたところみんな美味しくないと言っていました。笑

それくらいまさにコーヒーじゃないみたいな香りになるのですが、ある意味これは生産国が少しでも高くコーヒー豆を売っていくための努力でもあるので素晴らしいことだと思いますし、浅煎りを飲みなれている方は美味しく飲めると思います。

そんなアナエロビックをこの会社も作っているということで数種類飲ませてもらったんですが、これはすごくおいしかったです。個人的な感想でいうとアナエロは良くも悪くも香りがかなり強くなるし発酵臭というか独特な香りもちょっとするんですね。これを元から香りの強い豆でやると強くなりすぎて飲みずらさを感じるものが出てくるのではなと思います。ただタイの豆は良くも悪くも飲みやすいものが多く、浅煎りにした時舌触りはいいし果実感も感じるんですが、香りという点においては少し弱い。これがアナエロにすることで飲みやすさを保ったまま香りを強くしているような気がします。
もしかしたら現地で飲んでる高揚感でそう感じただけかもしれませんが笑

ではなぜこの数年でこのような変化があったのかというと、その原因の一つには世代交代があると思います。

例えばチャーリーの一番古くからやっている農園が今年で32年目とか33年目とかです。そして新しく息子のジョニーに農園を引き継ぎ始めています。こういうことがタイ全体で起きていて、ここ数年でちょうど息子世代に変わっていっていて、一つ上の世代は伝統的な作り方をしているところが多く、その子供世代は海外などにも目を向けいろんな作り方で挑戦しようとしています。これは本当に素晴らしいことで、特に僕らはチャーリー家族とみつに付き合っているのでその代が変わるところも一緒に取り組めるし、チャーリーの豆は今まで通り仕入れながら、ジョニーとはアナエロに挑戦しようと話し合いをしています。

まさに伝統と革新。その両方でコーヒーライフを面白いものに彩っていければと思います。

 

今回はかなり専門的な内容になりましたがこれがタイコーヒー最前線なのでかなり貴重な話だと思います。

それではまた次回!