こんにちは。矢野です。
アルバイトの子の休みが多いので今月は何だかいつもより多めにお店に入ることになりそうです。
ですが今目立った仕事を抱えていないので頭の中は比較的のんびりです。いやそんなことないわ。今思い出した。割と早急に進めなければいけないものがあったんだ。思い出したくなかった…。
まあそれも来週の火曜日にある打ち合わせを経なければ進まないのでまあこの2、3日は束の間の平穏ですね。
最近改めて名著である「サピエンス全史」を上下巻読みました。10年くらい前に一世風靡したこの本ですが、当時話題になっていた部分は上の割と冒頭部分だったのでなんだかんだあまり最後まで読んだ人って少ないのかななんて思ってます。
ざっくりと内容を説明すると、今の人間、つまりホモ・サピエンスがどのような歴史を辿ってきたのかについて「認知革命」「農業革命」「科学革命」主にこの三つの大きな転換点を軸に考察されています。
そして何が話題になったかというと最初の「認知革命」。
それまで同じ類人猿でもメジャーだったのはネアンデルタール人、そのネアンデルタール人とホモ・サピエンスの繁栄の明暗を分けたのがこの認知革命であり、認知革命とはつまり、共通の空想・妄想を信じることができる能力であると。
共通の空想とは時に神であり、宗教であり、国家であり、法律であり、貨幣であるわけです。
これらは全て本来この世には存在しません。みんながあるその存在を「ある」と信じているから成り立っているわけです。これができたのは生物史上ホモ・サピエンスだけ。
今日の人間を人間たらしめている一番の要因こそがこの共通の空想を信じることができるということであり、これが認知革命だということです。
で、この認知革命についてはかなり冒頭の部分で出てくるのでサピエンス全史が話題になってから読んでみようと思った方はこの部分を読んで満足された方も多かったのではないかと思うんですが、この認知革命を受けて、それ以降の人間の歴史を紐解いていくと非常に面白いんですよ。
歴史とは現在から過去を辿る際の事実の羅列に過ぎないので、当たり前ですがその時々の人々は未来がわかっていてその行動をとったわけではない。のちに一本の道筋として見るから意味があるように見えるだけで。
例えば今や世界一の宗教であるキリスト教だって今でこそ世界一の人数を誇り、その結果ゆえにキリスト教が優れているからこんなにも広まったのだと思い込んでしまいます。しかし、もともとは田舎の小さな宗教の一つであったキリスト教がこんなにも広まったきっかけはかのローマ帝国が国教としてキリスト教を採用したからです。それによって爆発的に人数を増やすことになるのです。ではなぜローマ帝国がキリスト教を採用したかというと時の王コンスタンティヌスが数ある宗教の中からキリスト教を選んだからです。そして面白いのがこの時実はどの宗教でもよかったと言われています。そう、たまたまなんです。たまたまキリスト教の教えが国を治めるときの指針とするのにぴったりなんじゃないかと、民を誘導しやすいのではないかと考えたからキリスト教が採用され、偶然その後キリスト教がこんなにも拡大したと。その時の候補にはマニ教や仏教なんかもあったそうです。そしてつまるところコンスタンティヌスがなぜキリスト教を選んだのか、その気持ちに関する記述はどこにもないのでいつまでも永遠の謎。
後から過去に起こった事実を列挙してそこに意味を見出すことは簡単ですが、その時々に当人たちがどのような思いで意思決定したのかというのはまったくわからず、その後に起こることも全て偶然の産物なわけですから、我々人間の存在意義なんてものはないという結末でこの本は閉じるんです。
でもだからどうでもいいのかというそんなわけないじゃないですか。我思う故に我ありじゃないですが、結局のところ僕たちが個人の目線で見ていいと思うことを信じて生きていくしかないんですよね。
それを2100年の未来の人間はまた勝手に物語を創作するんだろうなと思うと、なんとも面白いです。
まだ未読の方は是非読んでみてください。