コーヒーの消費のされ方の変遷

Article author: 龍平矢野
Article published at: Aug 21, 2026
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こんにちは。矢野です。

またここから数日間は暑いみたいですね。
ちょっと前が涼し過ぎたのがおかしかったのでこれで正常という感じがします。
いやもはや何が正常なのかは分かりませんが。

何が正常かとわからないという話に関連した話でいくと、昨日ブログでお話ししたコーヒー業界を取り巻く環境の変遷と少し近い話になりますが、今日は消費者目線でのコーヒーの話をしましょう。

コーヒーは今や日本において水やお茶に次ぐ国民的飲料となっていると思います。

とはいえ消費量の9割方はスーパー等量販店で販売されているレギュラーコーヒーやインスタントコーヒー、コンビニコーヒー、チェーン店のコーヒー、いわゆる我々のようなスペシャルティコーヒーを扱っているような個人店ではない、量販的なコーヒーだと思います。

そんな超少数派の中でもさらに好みの傾向があったり、個人店で自家焙煎の珈琲屋であってもスペシャルティではない、手に取りやすいコーヒーを扱っておられているところもありますが、まあここは一旦分けずにいましょうか。

昨日京都だと約10年前くらいから急速に浅煎りコーヒーが広まり出したという話をしましたが、いわゆるスペシャルティコーヒーにハマる人の大半がこの浅煎りコーヒーを初めて飲んで、今までの苦い飲み物という印象からフルーティな酸味が感じられる飲み物に感動してハマったという人が多く、産地でいうとエチオピアとかケニアとかコロンビアといった、アフリカもしくは中南米系のコーヒーが代表格だったかと思います。

だいたい傾向として浅煎りからコーヒーに入ってきた方は当分の間浅煎り以外のコーヒーをコーヒーと認めなくなります。笑
これは僕も通りました。笑

どの店に行ってもとにかく浅煎りを頼んで酸味があるコーヒーこそが正しいんだ!みたいな思想に取り憑かれます。
その後一周回ってきたあたりからふと深煎りを飲んでみたりすると、あれ、案外深煎りもうまいぞ。となってくるんですね。そこから次は深煎りばっかり飲んだり。笑

僕もいまだにこのサイクルを回し続けていて、ちなみに僕は今もう何周目かもわからない浅煎りのターンに入ってます。笑

ちょっとあえて皮肉っぽく書きましたが、これをもう少しロジカルに考えると、深煎りのコーヒーを飲んでいる時はコーヒーって苦い飲み物だともう刷り込まれているのでその店の味がどうかとか意識することってそんなにないんじゃないかなと思います。
実際浅煎りの方が元々のコーヒー豆の味に違いがわかりやすいので、浅煎りを最初たくさん飲んでる間に酸味の違い、まあ味わいの違いをより意識しながら飲む人が多くなる。
そのベースが出来上がった状態で久しぶりに深煎りを飲むと、当たり前ですが深煎りにしても豆ごとの味わいの差というのはしっかりありますので、それを感じ取ることができるようになっているから、深煎りに戻ってきた時には、また美味しく感じれるようになったりするのではないかと思います。

蛇足ですが、スペシャルティコーヒーといえば浅煎りというイメージが強いですが、もちろん深煎りもありまして、高品質なコーヒーの深煎りは抜群に美味しいです。

さて、そんな感じでコーヒーにハマっていくというのが普遍的なスタイルなんですが、3〜5年前くらいから急激に新しい精製方法であるアナエロビックやインフューズドという後天的に酸味や香味を増幅させているコーヒーが出回るようになりました。
これは今までのコーヒーという味わいのレンジに収まるものではなく、比喩ではなく、コーヒーとは思えない味になっているものが多数あります。
これが出てきた当時は豆の説明文のところにアナエロビック、インフューズドと記載されてることが多かったんですが、今やもう書かれることすらなくなってきてサイレントにこの精製方法のものが紛れ込んでいることも少なくありません。

そもそもこの名称を初めて聞いたという方も多いと思いますが、さっき話したコーヒーにハマっていくスタイルというのは今も変わりませんので、そうなると何が起こるかというと、

コーヒーにハマるきっかけとなる浅煎りのコーヒーが意図せずこれらの後天的に香味を増大させたコーヒーになるということです。
これらのコーヒーはその制作意図や味わいのメカニズムを知っていれば面白い!と思えるものだと思うのですが、知らずにここから手をつけるというのは一種劇薬のような気がしなくもありません。

ここが基準になってしまうと、その他の場所でノーマルな浅煎りを飲んだら物足りなくて、せっかく日常的に美味しく飲めるはずのコーヒーが美味しく感じられなくなる可能性があります。

現に今のコーヒーにハマりきっているコーヒーマニアのようなお客さんの中にはそういった方が少なくありません。
僕はこれらのコーヒー自体が悪いとも思ってないし、これらのコーヒーが好きだということを悪いとも思ってないですが、本来的なコーヒーらしいコーヒーの味が蔑ろにされてしまうような状況は一コーヒーラバーとして少し悲しいですね。

だからLaughterではあまりそういうコーヒーは扱わず、一瞬の爆発力よりも余韻が長く、カップの最後の一滴まで飽きることなく美味しい、そんな日常に寄り添った味づくりをしています。

まあでもいろんなコーヒー評論家みたいな人やコーヒーの楽しみ方、コーヒーショップが出てきた方が業界としてはわちゃわちゃ盛り上がると思うので、それ自体はすごくいいと思いますけどね!

ということで僕は今日はエチオピアをアイスの急冷で飲みたいと思います。

 

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